兄妹で…

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「じゃあ、イルカに触ってみたい人ー!!」 トレーナーのお姉さんが明るく元気よく叫ぶ。 「ハイハイハイッ!!」 野薔薇は小学生に混じって全力で挙手する。 「じゃあ、そこの紅いリボンのツインテールの娘」 野薔薇だ。 野薔薇はとてとてと階段を下りてお姉さんの所へと走っていく。 「お名前は?」 笑顔のお姉さんが野薔薇に問い掛ける。 「くれな……安倍 野薔薇です」 野薔薇は紅 野薔薇ではなく安倍 野薔薇だと名乗った。 「今日は誰と来たのかな? 彼氏?」 その質問に会場にいる男の人女の人全てが息をのむ。 「お兄ちゃんと来ましたっ♪」 野薔薇がその台詞を満面の笑みで言ったとき、人々は歓声を上げそうになった。 勝手に二人ともフリーだと思ったからである。
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