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「うわぁ、可愛い~(はーと)」
「きゅー☆」
そんなことは露知らず野薔薇は漣君に夢中だった。
「え?」
漣君が野薔薇の服をくわえ、次の瞬間。
ザッバーン。
野薔薇はプールに落ちた。
野薔薇はかなり深くまで来ていた。
何故ならプールの下は展示用の水槽になっているからだ。
水槽の前でイルカを見ていた人は、突然女の子が落ちてきたことにびっくりした。
野薔薇は上昇しようとする。
が。
ツキン。
「!?」
足に痛みが走った。
『つった!?』
ガボバッ。
拍子に水を大量に呑み込んでしまう。
『ヤバい…』
意識が遠くなった。
一度は浮上しかけたからだがゆっくり沈んでいくのが分かる。
硝子越しに悲鳴が聞こえたような気がした。
野薔薇はゆっくりと意識を手放した。
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