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野薔薇は違和感を感じてゆっくりと重い瞼を押し上げた。
「グガハッ」
奇妙な叫び声を上げたので椿姫が唇を名残惜しげに離すと野薔薇の顔が真っ赤に染まっていた。
「な…何でお前がッ……///」
「よかった……。
野薔薇が無事で、よかったです…」
そう言って椿姫は野薔薇をもう離すまいと抱き締めた。
「ちょ…椿姫人前、人前!!///」
野薔薇が焦って叫ぶと
「やっと俺のこと名前で呼んでくれましたね」
椿姫が顔を上げてにっこりと微笑んだ。
目尻が赤く染まっていた。
「お前…泣いt…」
「言わないでください…。
野薔薇…野薔薇…」
その後はイロイロ忙しくって野薔薇も椿姫も湊も花音も殆ど覚えていない。
館長が謝罪したり、漣君とトレーナーさんを処分する話になったり(野薔薇が全力で止めた)、着替えの話になったり(湊が椿姫の服を買いに行き、花音が野薔薇の服を買いに行った[異性の下着類を買うのは恥ずかしすぎるからだ])、着替えた野薔薇に椿姫が抱き付いてしばらく離れなかったり(花音が買ってきたのが白いワンピースでそれが椿姫の好みだったからだ)…まぁ、いろいろだいろいろ…(遠い眼。
「何だかんだで大変な一日になっちゃったよね~」
花音がのんびりと言う。
みんなのケータイにはお揃いのイルカのキーホルダーがついている。
が。
椿姫と野薔薇のケータイは水没して壊れた。
「楽しかったよ、また行きたい」
被害者である野薔薇がそう言うのだから大丈夫、きっとまた行くことになるだろう(笑)
~end~
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