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「オジサン…」
俺は分からなくなって尋ねた。
「ねぇ、今私はどうなってるの?」
それしか言えなかった。
「取り敢えず、その紅い瞳をどうにかした方がいいよ。
それとも、元々かな?」
そう言ってオジサンは苦笑いした。
俺は直ぐに眼の色素を戻した。
紅い瞳の秘密。
それはただ単に色素がないだけ。
色素がないから眼の血管の紅がそのまま見えて紅く見えるだけだ。
「おいで」
オジサンが手を広げる。
俺は黙って抱き締められた。
頬を流れる熱い水は何時の間にか止まっていた。
「警察…行こっか?」
オジサンが俺にそう言うが俺は行きたくなかった。
「嫌だ!!」
俺がそう言うとオジサンははぁ…と溜め息を吐いた。
「じゃあ、おじさんのとこ行く?」
「行く!!」
俺は兎に角帰りたくなかったんだ。
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