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「なら、息子と、椿姫と同い年だね」
女の子みたいな名前なのに『息子』なんだ……!?
「椿姫?」
「そう、椿姫だよ」
瀧姫は苦笑いしながら野薔薇の頭を撫でている。
「おじさんは忙しくって、ろくにあの子に構ってやれてない…。
そうだ、野薔薇、椿姫の遊び相手になってくれないかい?」
「うん!!」
俺は眼をきらきらさせながらうなづいた。
そして瀧姫も椿姫も男なのに何でこんな名前なのか凄く気になった。
でも、やっぱり同年代の子と遊ぶのは、幼い日の俺にとって楽しみだった。
「………野薔薇…」
瀧姫がそう呟いて愛しげな眼差しで俺を見ているとも知らずに……。
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