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薔薇園で隠れん坊をしながら俺は笑った。
「椿姫みっけ~」
そう叫んで俺は走っていく。
俺は隠れようとして温室に迷い込んだ。
温室には沢山の花々が咲き乱れている。
そこを通り過ぎると、教会に出た。
教会の扉は僅かに開いており、俺は気になって中に忍び込んだ。
ステンドグラスから色とりどりの光が教会に射し込んでいる。
「!?」
ふと祭壇の上の柩に眼をを奪われた。
硝子張りのその柩には紅い薔薇が敷かれていて、その上に眠るようにして女の人が横たわっている。
「……似てる?」
俺は思わず呟いた。
その人は俺を大人にしたような人だったから……。
ガタン。
不意に後ろで教会の扉が閉まった。
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