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「うわぁ☆」
ゲートを潜り抜けた先にあった世界はとても幻想的だった。
エスカレーターが海中トンネルを行き、湊と野薔薇の頭上を沢山の魚の群れが通り過ぎていく。
エスカレーターにぴょんっと飛び乗った野薔薇を湊は優しく見つめていた。
「凄い!!
凄いねお兄ちゃん!!」
今の野薔薇の瞳を表現するならばキラキラだ。
その顔には幼さがたっっっくさん残り、昔を彷彿とさせる。
と、エスカレーターが終わり、野薔薇は走り出した。
「お兄ちゃん!!」
一際大きな水槽の前で野薔薇は振り返る。
「「鯨」」
そこにあったのは、親子の鯨の水槽だった。
湊のなかの野薔薇の記憶、野薔薇のなかの家族の記憶は無い…が、二人は思いだしていた。
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