兄妹で…

5/13
前へ
/39ページ
次へ
――― 「……アイス」 「ほら、野薔薇」 そう言って湊が差し出したのはアイスだった。 「お兄ちゃん、俺、今なら分かる。 鯨は魚じゃなくて哺乳類だってコト…」 「っ……ははは」 そのしんみりとした発言を聞いて湊は大爆笑した。 「///!? なっ…なんだよっ///!? 人がせっかく……っ///!?」 ぎゅ……。 「うん、そうだよ野薔薇…」 「ちょっ……/// お兄ちゃん!! お兄ちゃんにはお義姉ちゃんがいるでしょう!?」 「いいんだ」 そう言って湊は野薔薇の小さな体を抱き締める。 「やっと…やっと大切な記憶を思い出せたんだ」 その吐息のような一言に、野薔薇は何も言えなくなった。 「狡いよ…」 そう呟くのが精一杯で…。 「行こうか」 そう言って差し出された湊の手を野薔薇は掴んだ。 湊の妹として。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加