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それは夏の初めのジリジリとした日差しの下。
節電の夏とか言うものの、図書館はクーラーがよく効いていて、僕はぼんやりしていた。
(外暑そうだなー・・。少しだけ昼寝でもしようかな・・。)
時計の針は、まだ昼を少し過ぎた程で、帰るには日が高すぎる。
大きな欠伸を1つして、僕はひんやりとした机に突っ伏した。
だけどその時、首に下げたペンダントが、微かに後ろ髪に絡まる。
そのペンダントは、小さな銀の月が付いていて、小さい頃から、僕のお気に入りだった。
(あぁ、痛いなぁ。やっぱり早く髪切らなくちゃ。)
そんな事を夢の狭間で考えて、半分目を瞑りながら、ペンダントの留め具に指を伸ばす。
しかし、その指先が触れたのは、暖かな手だった。
(・・って、手!?)
―プチッ
慌ててぐるりと後ろを見る。
慌てすぎて軽く首を痛めた。
そこにいたのは、金髪をアップにまとめた女性だった。
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