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「うわ、見つかっちゃった☆」
てへ、ぺろ☆とか言われてちょっと可愛いとか思ったのは心に留める。
「え、なっ・・。」
はっとしてみれば、女性の手には僕のペンダント。
「か、返してください。」
「いや、ちょっと話進まなくなっちゃうんでwwwww」
女性は明るく言い、くるりと踵を返す。
ペンダントを持ったままで。
今更気づいたけど、女性の頭には、ふわふわしたうさ耳が付いていた。
えーっと・・
「私の名前は緑鬼だよ!ペンダントを返してほしければ、付いてきてね!
」
返してほしければって、それ僕のなんですけど。
「待ってください!」
仕方がないので、慌てて立ち上がり、その金色に輝く流れる髪を追いかける。
全くもって理不尽だ。
つーかあの女性どっかで見た気がするけど。
ウサ耳の女の人、緑鬼さんは我が街が誇る広い図書館を駆けていく。
つか速くね?
僕、すでに脇腹痛いんだけど。
高い高い本棚の隙間を縫うように駆け抜ける緑鬼さんを必死で追いかける。
と、気がつけば常連である僕すら知らない、一番奥の古書棚まで来たらしい。
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