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「……朝には戻るから。」
「………………………。」
そう言って暗闇の中へ溶け込んでいった和哉。
見慣れている背中が、いつもこの時は誰だか分からなくなる。 別人になって出ていく和哉を俺は止めることもせず虚ろ気に見詰めるだけ。
一人になった途端、酷く広く感じるベッド。
お前がいないんじゃ
こんなものいらない。
「喉が乾いた。」
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あれからすこしばかりの月日がすぎ、相変わらずの毎日。
貴方は何も言わずに、煙草加えてでていくの。
慣れたように、ソファーに向かう。 身を丸くして和哉のぬくもりを思い出してまた眠る。
これが俺がお前に出来る唯一の仕返し。
だけど、目が覚めた時に何時も毛布が掛かってるのを確認する度に、負けたと感じる。
惚れた弱み。
そして今日も孤独な夜がくる。
ああ、俺がもう邪魔なら
思わせ振りはやめて。
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