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明日、と呟いて初佳はテニスコートから出ていく。玄関へ向かおうとした彼女に、女子部員が話し掛けているのを不二は微笑んで見ていた。
いじめられているわけではなさそうだ。女子数名が囲み、何やら賑やかに話している。初佳は少々戸惑い気味のようだが。
「いいのか?不二。瀬川さん、ラケットなんて持ったことないんじゃ…」
側に来ていた大石に視線を移すと、桃城や乾までいた。不二はさらりと髪を揺らす。
「うん。でも初佳がやりたいって言うならいいんじゃないかな」
喧嘩を売られたのにのほほんと買うのか…?とは誰も言わなかった。
部活時間終わり、帰ろうとする少年に少女が声をかける。しばらく話していた二人は頷くと、同じ帰り道を辿り始めた。
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