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「試合、見に来ないよね」
『夏間近』よりは『夏』の教室の机で、雑誌を開きつつ言った僕に、君はペンを止めた。とは思ったもののそれは一瞬。また君は課題に向かう。
いつ以来だろうか、放課後に残れるだなんて…といっても君は課題中で、僕はあと30分で部室に集合するわけだけど。
大体、テニスで忙しいから二人で過ごせる時間は少ない。寂しい想いをさせて…いや、してくれているのかな?君は。強がりばかりで、弱音を決して吐かないし態度にも出さないから、少し不安になってくる。
君は僕が必要なのかって。僕だけが、好きなんじゃないかって。それを態度に出さない辺り、僕も君と同じく意地っ張りの負けず嫌いなわけだけど。
「うちのコートにも近寄らないし」
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