prologue

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「へ……!?」 いや、さすがに驚くよ?こんなか弱そうな細身の身体の女の子のどこにこんな力が?……って思うのが普通だよな?普通だよね?普通ですよね? 「おにーちゃん……?」 言い方が変わった……!?いや、呼び方が変わった……!? しかもベッドを割った辞書をゆっくりと構えたままこちらに近づいてくるし……。怖い……怖すぎる。多分初っ端からバハムートがレベル1の主人公と戦闘に入るくらい怖い。いや、神龍でもいいや。とにかく怖い。 そしてついには頭一つ分の距離まで来ちゃったよおいこら!なんか朝から危ないって! 「おにーちゃん?もう一回寝て?」 生気の欠片もない瞳で睨まれたまま上目遣いされた。……逆らえねぇよ。 言われたとおりに、ベッドの上(ベッドが割れたため、佳奈のベッドを拝借)で寝た。って言っても、瞼を閉じるだけだけど。 「そうそう、お兄ちゃんは優しいもんね?あたしのお願いなーんでも聞いてくれれもんねーっ?わかるよーっ」 一言一言に感情が入ってねぇ!?何その三文芝居みたいな感謝文! ていうか……遅刻。遅刻フラグですね、分かります。ぐすんぐすん。
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