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俺は無駄な考えを一旦打ち切り、この孤独な道をやや足早で駆け抜けることにした。
◆ ◆ ◆
結局学園まで一人だった。
若干虚しくなりながらも教室に辿り着き、机に倒れ込む。そんな俺の様を見て心配してくれたのか、何人かのクラスメイトが声をかけてくれた。良い奴らである。少し元気になった気がする。
朝のホームルールが始まるまで五分くらいだろう。それまでじっとしてよう。
「おいおいロイ、朝からやけに鬱じゃねぇか。なんかあったのか?」
……あー。どうやらそれは無理な話なようだ。
俺の真後ろの席に座り、朝からハイテンション、しかも今の俺の状態に気付いていない。そんな空気の読めない馬鹿、ジュン・フェレスは一応俺の親友だ。
肩まで届きそうなほどに伸びた赤髪に、燃えるように紅い双眸。十人中十人が迷うことなくイケメンと言うであろうルックスの持ち主。魔法に関しても中々の実力を持っている。
俺のクラスは2―S。
学年中のエリートが集う、別名、超優秀者強化教育クラス。
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