第一章

4/12
前へ
/25ページ
次へ
 ジュンはそんなクラスの中でも指折りの実力を持つ、西方式の火の魔法のエキスパート。  所詮は学生レベルの話だが、それでもジュンの実力には眼を見張るものがある。と、いうのが、今の俺の評価だ。  ちなみにこのクラスにはそんな奴らがあと二人もいる。片方は例外だが。磨けば光る、いい線まで来れそうな人材がこれだけいるのは有りがたいこと、卒業したら俺の職場に誘う予定だ。それまでにどこまで伸びるのか、楽しみの一つとなっている。  そうやって後ろから声を掛けてくるジュンを放置し、今後の事を考えていると、いつの間にか鐘がなり、担任が教室へ入ってきた。  面倒くさいが楽しい一日の始まりである。  ◆ ◆ ◆  「全員いるわね? 今日の予定はいつもと少し違うから、きちんと聞いておくようにね。エクスト君? 言ってるそばから寝るな!」  教師歴三年、二十三歳独身女性教師アリア・ステリアに、頭をプリントの束で叩かれる。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加