序章

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 まあそれはさておき、先程から放心状態である女の子を保護するとしよう。 「おい、大丈夫か?」  とりあえず、声をかけてから女の子の肩に触れようと手を伸ばす。そしてその手が触れた瞬間――― 「いや!! 止めて、下さい……」  ―――拒絶された。  まあ、考えてみれば当たり前のことである。  この子は恐らく、監禁されていたのだろう。ふむ、あの学園の生徒か。服装が制服であるのをみる限り、登下校の際に拐われたのだろう。あの学園内のセキュリティは完璧だからな。  そして、普通の女の子に監禁や、強姦未遂はキツすぎるだろう。  現に女の子はパニック状態に陥っており、目は虚ろで、今にも消え入りそうな声でなにか呟いている。  ……これでは重度のトラウマになる。なにか解決法はないだろうか。  まあとりあえず。 「すまんな」 トンッ! 「……っ!!」  首の後ろ、うなじに手刀を入れて気絶させる。
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