第一章 日常

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「帰ろうか」 そう言った俺は軽い鞄を背負った。 「ちょっと待てや」 急に俺の肩を掴み、引き止めようとする紀夫。 なんだよ? 何か用があるのか? 紀夫は少し重い表情で話した。 「……実は、俺職員室に呼びたされてるんだ」 「そっか、行ってらっしゃい」 ……俺のこの島で一番嫌いな場所、職員室。 何故なら高二の俺は進路のことで質問攻めに合うからだ。 今回紀夫が呼び出されたのも進路のことだろう。 俺が一緒に行く義理はない。 ていうか行きたくない。 「つれねーなー。お前も行こうぜ~。行かねーならお前の宿題見てやらねーよ?」 「くっ……」 それだけは止めてくれ。
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