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「帰ろうか」
そう言った俺は軽い鞄を背負った。
「ちょっと待てや」
急に俺の肩を掴み、引き止めようとする紀夫。
なんだよ?
何か用があるのか?
紀夫は少し重い表情で話した。
「……実は、俺職員室に呼びたされてるんだ」
「そっか、行ってらっしゃい」
……俺のこの島で一番嫌いな場所、職員室。
何故なら高二の俺は進路のことで質問攻めに合うからだ。
今回紀夫が呼び出されたのも進路のことだろう。
俺が一緒に行く義理はない。
ていうか行きたくない。
「つれねーなー。お前も行こうぜ~。行かねーならお前の宿題見てやらねーよ?」
「くっ……」
それだけは止めてくれ。
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