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まるで時が止まったような静寂がその男を包む。
やがて、時が動き出したようにその男が立ち上がり始めた。
「ふう……。今度は大変な仕事になりそうだ」
その執事の男は内ポケットから葉巻を取りだし、火を点けた。
火を点けると、非常に整った彼の顔が照された。
息を吐くと白い煙が辺りに広がる。
「次の目標は、この島か」
さっきまで大男が映っていたモニターに、今は小さな島が全体を眺められるようにゆっくり回りながら映っている。
執事の男はまた息を吐いた。
白い煙がモニターの前で揺らめく。
ゆらゆらと空気中を漂う煙が、だんだんと髑髏の形に変わっていった。
まるで、これから起こる出来事を象徴しているかのように──
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