第一章 日常

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「……セミうるさいな」 窓の外を頬杖をつきながら見ている俺は、学校の教室に聞こえてくるセミの大合唱を少し疎ましく感じながら呟いた。 眩しい快晴の青空。 さざめく木々の音。 まるでこれから始まる出来事を象徴しているかのような景色だ。 今は担任によるの一学期最後のHRの真っ最中。 つまり今日は終業式だ。 そして、明日から待ちに待った夏休み!! 小学生みたいな思考回路だとは思ってるけど楽しみなもんは仕方がない! 「では各自熱中症や事故には気を付けるように。終わります」 「礼!」 学級委員長の号令で座ったまま軽く頭を下げる。 そういえば結局一学期中ほとんど先生の話まともに聞いてないや。 高二になったらもっとしっかりしようと思ってたのに。 ……まぁいいか! もう夏休みなんだしな!
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