第一章 日常

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ぼーっとしていたら、後ろから背中を数回叩かれた。 後ろを振り向くと、ある男子生徒が立っていた。 その男子生徒が俺に話かける。 「よう夏巳。どうしたんだ? そんなぼーっとしてお前らしくない。頭良いくせにな!」 夏巳(なつみ)とは俺の名前。 ……女っぽい? よく言われる。 こいつは俺の幼馴染みの「小山 紀夫」(こやま のりお)だ。 小さい頃からいつも一緒にいた一番の親友だ。 髪が少し立っていてツンツンしている。 目は大きい中に強さのようなものがあり、鋭い。 鼻が高く、端正な顔立ちをしている。 ちなみに、こいつの方が俺より百倍頭が良い。 さっきの言葉はただ皮肉ってるだけだ。 ……ていうか「お前らしくない」って、遠回しにいつもはうるさいって言ってるよな? まあ間違ってはないけど……。 今日はとにかく眠いんだ。 ……なぜかって? 「昨日3時まで電話で語り明かしてきたのは誰だよ……。紀夫?」 こういうことだ。 「だって暇だったんだからしょうがねえだろ?」 寝ろ! ……と言ってやりたいところだがそうは言えない理由がある。
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