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「ところで紀夫、結局宿題終わったんだろ?」
俺は眠い目を擦りながら、聞いた。
「おー、終わったぜ」
「じゃあ俺の宿題見てくれよ」
「いいぜ。1000円な」
「な!? お前! 金取るのか!?」
「世の中そんなに甘くないのですよ、夏巳君」
その紳士口調腹立つな。
「ジュース! 帰りにジュース奢ってやるから!!」
「しゃーねーなー。じゃあ夏巳の苦手な化学だけ見てやるよ」
「……ドケチ。全部見ろよ。」
「やっぱり2000円にするか?」
……げ。
聞こえてた。
「すいません紀夫様。調子乗りました」
「「…………」」
俺たちは顔を見合わせてニヤリと笑った。
これから楽しい夏休みが始まる。
そう考えたら嬉しくて仕方ないのだ。
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