第一章 第三部 理由

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「え……?」 クレアは目の前に凍りっている一人の少女を見て言葉が出なかった。 「俺をかばってね…」 アルスは氷に触れながら答える。 「あ……ごめん…なさい…アルス…私…」 クレアの目には涙が溢れていた。いくら知らなかったとはえ自分の無神経さに腹が経っているのか、強く拳を握っていた。腕が振るえている。 「大丈夫だよ…!泣かないで?教えてなかったんだから知らなくて当然じゃん」 泣いているクレアにアルスは優しい言葉を掛けた。しかしクレアは涙が止まらない。 「私…私…」 その時―――。 「選ばれし者よ…運命を変えろ…その手で…」 その瞬間光が三人を包み込んだ。 「選ばれし者よ…運命を変えよ…この剣で…変えよ…」 眩しい光は不思議な声が言い終わると消え、元の場所に戻った。 そして目の前には剣が宙に浮いている。 すると剣はアルスの腰に向かって飛び腰に収まった。 「マジかよ…アルスが選ばれた…選ばれし存在になってしまった…」
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