第一章 光

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そしてこの小さな村、メネット村にも光がきた。 「アルス!マリア!無事か!?」 村人が駆けつけた時には既に一人の少女が凍っていた。 その少女の前に、一人の少年が立ちすくんでいた。 「マリアは…俺をかばって…凍って……マリアは…」 村人はアルスにかける言葉が見つからずその場に沈黙が続いた。 「俺のせいだ…俺が……」 アルスは座り込みながら呟いた。 「魔法を使えば溶けるんじゃないのか?」 閃いたかのように言う男の言葉に納得する他の村人達。 「もうやったさ…」 アルスは村人達の前で魔法を使うが氷は溶けない。また沈黙が起こってしまった。 結局戻る方法は見つからなかった。 その日からアルスは自分を責め続けた。
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