22人が本棚に入れています
本棚に追加
そしてまた、生徒会長の話だ。そんなに生徒会長が好きなら、妹にでもなんにでもなって仕舞えばいいのに!
・・・駄目!そんな事絶対に駄目!
「ねぇ、聞いてる?」
歩が私を覗き込むようにしてそう聞いた。顔が近い。不意にいけない事を考えて仕舞ったけど、私は我慢して応える。
「うん、聞いてるわ・・・、生徒会長に褒めて貰ったんでしょう」
「そうだけど・・・」
そう言うと、何故か歩は不満そうな顔を浮かべる。どうしたのか気になったけど、そこはスルーして、私は話を振った。重要な話を。
「・・・ねぇ、歩」
「・・・何?」
「仮に、仮にだよ。歩にお姉さんがいてね」
「うん」
「歩はそのお姉さんが好きになると思う?」
「どうかなぁ。実際にいないからわからないけど、生徒会長みたいな人だったら仲良くすると思うなぁ」
「ふ~ん。じゃあさ・・・じゃあ」
「・・・じゃあ?」
「・・・・・・いや、なんでもない」
「・・・・・・言ってよ。気になるよ」
「なんでもないって」
「いいじゃん。言ってくれたって」
そうふて腐れると、笑顔を浮かべ、生徒会行ってくると言って、手を振りながら教室を出ていってしまった。
私は歩を見送ると、机に突っ伏した。
あぁ、私自身にも苛々する!
・・・・・・私の意気地無し。
最初のコメントを投稿しよう!