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「ねぇ! 君っていつも一人だよね?」
夕方、急いで帰ろうとする僕を呼び止めるように女性の声が響いた。
「・・・・・・」
その声に家路を急ぐ足を止めようと思ったが、気づけば内容がヒドい。
大声で喋るもんだから、周りが注目してくる。
「ねぇってば!」
静かにして。
ただその一言が言えればよかった。
言えばよかった。
だけど、どうしても関わりたくない僕は無視を続けた。
やっと家の前まで来て安心したのもつかの間。
「ねぇ、何でずっと無視するの?」
「!?」
(この人・・・ついてきた・・・)
自分の中で存在を消した結果、声すら耳に入らなくなって気づかなかった。
(とにかく、こんなとこで大声上げられたら近所迷惑だ・・・)
「あ、あの・・・中・・・」
「ん? 入っていいの?」
無言でうなずく。
「お邪魔しまーす!」
「ただいま」
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