そんな出会いかた

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               ―――――――――― 「ただいまー」 誰も居ない部屋に響いた自分の声が無意味に消えた。 俺は現在進行形で一人暮らしをしている。 両親は『仕事の都合上』日本中を旅しているらしいが、今現在は行方知らず。まあ、国内にいるのは確か。 小中学生の時は親に付いて全国を転々と回っていたけど、一つの学校に通い続けるのがある種憧れでもあった俺は、高校だけは最後まで通いたかったんだ。 まあ、そんなこんな色々あって、ここのマンションにいるという訳だ。 ・・・・・・正直、あんまり詳しくは話したくないし、面倒臭い。 一つだけ言うなら、あの時の母さんは俺にとって『闘神』的存在だったと思う。 俺は家に着いてすぐ制服から部屋着に着替え椅子に座り、帰りにコンビニで買った冷めかけの唐揚げ弁当を開け、割り箸を割った。 ピンポーン 唐揚げが今まさに俺の口へ入ろうとしていた時、玄関のインターホンが鳴った。 渋々俺は割り箸を置き、玄関の扉を開けに行く。 ・・・・・・何処の誰だろうか。 ・・・・・・いや、実際には心当たりというか、誰だか分かるんだけどね。 あ、第六感が驚異的に働くとかは一切ないから。どちらかと言えば五感すらあやふやだからな。
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