0人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「吉田君!」
桜を描きに行く道中で僕を呼ぶ声がした。振り返ると田島さんが駆け寄ってきた。
「吉田君一緒に帰ろ。」
そう言って田島さんは僕の左手を握った。
「えっ、あぁ、うん……でも今日僕絵を描きに行くから……」
僕は機材を持っている右手を上下させる。
「ついていってもいい?」
「いや、ちょっと……」
あの場所を知っているのは僕だけでいいという独占欲が働き田島さんのこれを阻んだ。しかしこれが変な誤解を呼び、田島さんは僕が裸婦を描きに行くと勘違いし、「他の女の人の体を見るんだったら私のを見て!!」という大胆発言が出てしまったので誤解を解消するために結局は連れていくことになった。
最初のコメントを投稿しよう!