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次の日は課題テストが午前中にあるだけだったので、またあそこに行くことにした。
「おい、吉田。」
帰る準備をしていると木瀬がナンパに行こうと勧誘してきた。
「お前一人で行っとけ。」
木瀬を押し退けて帰ろうとするが弾き返される。
「うるせぇよ!お前がいなきゃ始まらねぇんだよ!!俺どっちかっつーと認めたくないけど不細工じゃん?お前イケてるメンツじゃん?」
「おこぼれ狙いか……ハイエナだな……」
「別に断る用事はないだろ?」
「あるよ。」
「何だよ?デートか?」
「違げぇよ」
そう言い僕はカバンを木瀬の頭にぶちつける。
「分かってんだぞ!美緒ちゃんとデートだろ?」
懲りずにまだつまらないことを話す木瀬。ちなみに『美緒ちゃん』とは田島美緒という同級生で以前に僕に告ってきた人物だ。まだ返事は返していない。怖いのだ。自分が学年5指に入る彼女を満足させられるのか。
「図星かこんちきしょう!!」
沈黙していたのをそう解釈した木瀬。
「違げぇ。絵を描きに行くんだ。絵を。」
今度は思いっきり振りかぶってぶちつけた。流石にもう言わないだろうと思い僕がその場を立ち去ろうとするとまだ息のあった木瀬が最期の攻撃に出た。
「絵ってヌード?」
二度とこんな口が聞けないように僕は止めの一撃を食らわせた後に、他の友人に頼み、学校でメスゴリラと恐れられている女子柔道部の部室に入れておいてもらうことにし、絵を描きに向かった。
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