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「広ーい!
水着がいっぱーい」
俺の家で皆で昼飯を食って、デパートに着いた。
と、いうか、9人前の昼飯は過酷過ぎる。
ユノが手伝ってくれなかったら確実に俺、アウトだったな。
そんなことは別世界の事情です、と言わんばかりに、妹達はお店の中を物色し始める。
高校生陣も、落ち着きながらも、目の前に並ぶ大量の可愛い水着にくぎ付けだった。
残された、俺取り合えユノだけが女性用の水着ショップの前に佇んでいた。
「入る……べきなのですか…」
「フッ、お前も高校生になれば、少しは理性を保てる様になるさ……」
意味の解らないことをいいながら、中に入る。
「にしても、広いなぁ」
「そうですね、向こうは普通の夏服も売ってるみたいです」
「ねぇねぇ、ユキ兄。
これ、これどう?」
ナツキが何かバッとハンガーごと商品を持ってくる。
だが、それは水着ではなく、夏らしい肩まで露出させた半袖の可愛い服とそれに合った可愛らしいハーフパンツだった。
「向こうから持って来たのか」
「ねぇねぇ、これどう?」
「どうって…可愛いけど、お前、水着買いにきたんだろ?」
「えー、これは買ってくれないのー?」
「だーめ、今はお財布がきびしーの!
水着買えなくなっても知らねぇぞ?」
「はーい」
ぷぅ、と頬を膨らませながら、ナツキはトタトタと走っていった。
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