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ピー、とストップウォッチの音が鳴り響く。 「はい、時間切れー」 「えー、またー」 その音を境に2人は刀を下ろす。 「はい、俺の勝ちー」 「もう一回!」 「やだ」 「もう一回ぃー!」 「だーめ、俺が損するだけじゃねぇか」 「あの、何してたんですか?」 模擬戦が終って、ソフィが近づく。 「模擬戦」 いや、そんなことはわかってるんですけどね、とソフィはジットリとした目をする。 「ソフィも入れてもう一回!」 ペタンと座り込んだ椎名がキラキラした目で緋嫋を見上げている。 「何の話ですか?」 「あぁ。 30分以内に俺の木刀弾くか、一発入れれたら、椎名の勝ち。 買ったら、何だか知らん店のめっちゃ高いスイーツを食いたいんだと」 「そんなのが、あるんですか?」 「じゃ、レミリアも入れてもう一回!」 「勝てるかっ!!」 「いいじゃん、椎名に店教えたの私だし……」 レミリアは自信満々の表情でニッコリと笑う。 「だーめ。 俺はこれから用事だ。 本部に顔を出す。 十六夜に呼ばれてんだ、レミリアもくるか?」 「日向のこと?」 「そ」 「じゃ、行くわ」 レミリアはもう一度ニッコリと笑う。 それを見た緋嫋はゆっくりと歩き出した。
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