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村の入口で足が止まった。
ーー村が燃えている。
その真中で小男が笑い声を上げていて、少年は怖くなって岩陰に隠れた。
「宝はどこにあるんだよ。早く出せや。」
小男が怒鳴る。
横には家来のようなのが数人、何やら物騒なものを肩に担いでいる。
島の人間も何か叫んでいたが、それは地鳴りのようで、聞き取ることはできなかった。
「早くしねえと、もう一人死ぬぞ。」
ぼんやりと死体の山が見えた。
その横で髪を引っつかまれているのは、どうやら次男のようだったが、少年の頭はぼうっとして、何が起きているのか分からない。
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