苦悩

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そんな時、不意に現れたひとりの男。 何だろう…同じ匂いがする。 よく見ると、カッコいい… 私は彼に近付きたいと思っていた。 だんだんと話せるようになると、彼があの“笹原商事”の長男なんだと知らされた。 親に反発したいがために、ここの大学の教育学部に入ったのだと。 ふーん… こんなボンボンが…反発したところで、何ができるのかしらねぇ… と心の中で嘲笑う。 でも…不思議と、そんな気持ちとは裏腹に彼に惹かれていたのだった。 私は、親がこの大学に入れと言ったから入った。 でも…笹原直樹には…“自分の意志”がある… 私は空っぽのまま… 本当にこれでいい? 無意味な毎日で満足? .
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