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「ただいま。」
帰ってきた!
今日はいてもたってもいられなくて、何度電話しようかと思って、携帯を手に取った。
でも…私なら…そんな大切な話なら直接顔を見て聞きたいと思うから…
我慢したの。
「な…直樹…実は…ね?赤ちゃんが…授かったみたいなの…」
「えっ…」
それから直樹は呆然と立ち尽くしていた。
「嬉しく…ない?」
ハッとして直樹は、私を見た。
「明日…時間もらうから産婦人科に行こう…」
ねぇ…
私だけが…赤ちゃん欲しいって思ってた?
そのまま、直樹はお風呂に行ってしまった。
お風呂場では直樹が湯船に浸かっているみたい。シャワーの音がしない。
「ねぇ…ひょっとして…赤ちゃん欲しいな…って思ってたのって…私だけ?」
「なんでそんなこと!」
ザバッと湯船から出る音…
それからはお互いに何も話せない。
でも…直樹の素直な気持ちが聞きたい。
そして…
私もちゃんと伝えるんだ。
絶対に産みたいんだってこと!
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