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「疲れてるのに、ごめんね…でもちゃんと話がしたいから…部屋で待ってるね?」
赤ちゃん、パパはどんな気持ちなのかな…
ママ、ちょっと不安だな…
お腹にいるであろう赤ちゃんにそこをさすりながら、心の中で呟いた。
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「さっきの話だけど…俺、めちゃくちゃ嬉しかった!」
「ほ…ほんと?」
「嘘ついてどうすんの。ただ頭が真っ白になったのはほんと。嬉しくて待ち望んでいたはずなのに、おかしいよな。」
ハハハ…と苦笑いする直樹の顔が涙で滲んでぼやけて見える。
「よかったぁ…私…赤ちゃんいらない…の…かと…「バカだな、俺の奥さんは!」
「いたい…」
デコピンされて、一気に和やかなムードに空気が変わる。
ギュッと直樹が私を抱きしめて
「俺の…子ども、産んでくれる?」
と言う。私は目を閉じてトクン…トクン…と定期的に打つ直樹の心臓の音を聞きながら、「うん…」と答えた。
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