1:始まりの日

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『うむ、なかなか気持ちよかったのじゃ』 九尾さんは風呂から上がると、身体を乾かすようにと言ってきた。 ドライヤーから温風が出ることにビックリしていた九尾さんを落ち着かせて、濡れた身体をタオルで拭いて乾かしていると、 『尾は丁寧にな』 御注文を頂いて、それはもう一本一本丁寧にやらせて頂きました。 満足した九尾さんは頷くと、座布団の上に腰掛けた。 『礼を言う。まさか人間に救われるとは思わなんだ』 「い、いえ……」 『なんじゃ?ずいぶんと余所余所しいの』 余所余所しいというか、何というか……。 「……実はロボットとか、着ぐるみで中に小人が入ってるなんてことは……」
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