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「おーい!おじょーさん!」
すると目の前のガキはびくりと体を震わせて声のする方を見る。
相変わらず顔は無表情だが。
「おじょーさんは何でここに居んのかなー?んでー!団地に一体どーして欲しいの?おにーさんチョー疑問!」
相変わらずチョーチョーうぜぇなと思いながらも、丁度俺の疑問を代弁してくれたいぐさに今回ばかりは多少感謝した。
そしていぐさは、おにーさんに教えてごらーん!とニコニコ笑いながらガキの目の前まで近づいてきた。
すると今まで無表情だったガキの目が少しだけ見開かれた。
まぁ、いきなり髪が真っ赤の変な男に話しかけられたのだ。
驚くのも当然だろう。
しかし、最初の周りからの総睨みの状況では全くビビってなかった癖にこのタイミングでは驚くって一体どういう神経してんだ、このガキ。
神経ズレてんな、絶対。
俺がそんな事を考えていると、ガキはまた無表情に戻っていた。
驚いた事に俺はガキの表情が戻った事に少しがっかりしていた。
「ねー!無視しないでー!おにーさんチョー悲しい!」
……にしても、こいつマジでうるせぇな。
「…………あの。」
「んー?何々ー?」
「日本語お上手ですね。」
「おー!ありがと!」
……意味がわからん。
いきなり何だこのガキ。日本語お上手ですねって……。
嫌みか?
しかもいぐさも普通に礼いってるし。
わけがわからん。
俺がそう思っていると、いぐさも同じくことを思ったのか
「じゃなーい!オレが聞きたいのは、オレの日本語への感想じゃなくてー!なんでキミが此処にいるのかって事と、キミがこの団地くんに一体何をしてほしーのかって事!」
とガキに向かって言い放った。
するとガキは少し考え込むように、持っていた遺影を見つめるとポツリと呟いた。
「おばあちゃんを燃やす所に行きたいので道を教えて欲しいです。」
……そういう事か。
俺はガキの持つ婆さんの遺影と、ガキの言う死体を燃やす場所という言葉でやっとガキの言いたい事を理解した。
……こいつは火葬場に行きたいわけか。
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