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『げーむおーばー』 「ヒッ――う、うわぁぁぁ!?」 「おい、最賀!?」  もうテスト中だとか言っていられる状況ではなかった。高い子供の声に、護は椅子を蹴飛ばして走り出した。とにかくここにはいられない、どこかに逃げなくてはと思ったからだ。  しかし足は一歩動いたところでがくんと折れ、護は床に倒れこんだ。起き上がろうとしても手に力が入らない。  護は顔を上げた。目の前に立っていたのは白く長い髪の少女だった。クスクスと笑ってこちらを見下ろしている。大変美しい少女なのだが、美しさよりも先に恐怖を感じる。何より、体が透けて扉が見えていた。 『おにーちゃんの、ま、け』  生徒達がざわめいているのに、彼女の小さく細い声はよく聞こえた。少女の言葉を脳が認識した刹那、護の意識は闇に落ちた。
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