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「お兄ちゃん、どうしたの?」  いつもギリギリまで惰眠を貪ろうとする彼が、起こす前に起きてくるのは珍しい。護を起こすのは静の日課と同時にひそかな楽しみであるため、少しばかり残念だ。 「うん、あのさ……ちょっと見てもらいたいんだけど」 「え、何を?」  答える前に護はパジャマのボタンを外し始めた。兄の半裸姿なんて十五年も一緒に生活すれば見慣れてしまうものだが、それでも目の前で脱がれると少しドキッとする。  ボタンを外し終えると、護はパジャマの上を脱いで背を向けた。そろそろ暑くなるから肌着をきちんと着ろと言っているのに、まだ素肌に直接着ている。  いや、静にとっては気になるが、見てほしいのはそこではないだろう。護は肩越しに視線を向けてくる。
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