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気持ちいい朝。
私は他のメイドさんや執事さんに挨拶をして洗濯物を干している。
「おはようございます」
「おはよう、麻里ちゃん。洗濯物は私がやるから、麻里ちゃんは早く朝ご飯食べちゃいなよ?学校遅れちゃうわよ」
クスクスと笑って洗濯物を交代してくれるメイドさん。
私はメイドさんにお礼を言って、使用人専用の休憩所へ向かった。
そこに用意されている朝ご飯。
私は椅子に座り、両手を合わせて「いただきます」と言ってご飯を食べ始めた。
するといきなり後ろから抱き着かれた。
「きゃっ!?」っと小さな悲鳴をあげると、抱き着いてきた人物が私の耳元で囁く。
「おはよう、麻里」
‐ビクッ‐
甘い、少しかすれた声。
私はドキドキしながらゆっくり口を開いた。
「蓮…様……っ」
そう言うと蓮様は私の顎を掴んで自分の方に振り向かせた。
甘いアイドルのような顔。
彼の黒髪からいい匂いがする。
彼はこの矢島家のご子息、矢島 蓮(やじま れん)様。
私と同じ、高校二年生だ。
成績優秀で運動神経も抜群、そしてこのルックス。
そして何より、次期社長となれば、他の女性は彼をほっとかない。
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