嵐の幕開け

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机にヘナヘナと倒れる私。 心臓に悪い……。 私は深呼吸をしてご飯を食べ出した。 それから数十分後。 私がこっそりお屋敷を出ようとすると、ガシッと腕を掴まれた。 驚いて振り返ると、不機嫌な蓮様。 あ……。 「だーかーらー」 蓮様がグイッと腕を引っ張る。 至近距離にある蓮様の綺麗な顔。 私は顔を真っ赤にさせた。 「一人で行くなって言ったよな?」 「う……」 「そんなにお仕置きされたいの?」 「ちっ、違います……っ」 「じゃあなんで一人で行こうとすんだよ」 「それは……」 口ごもると蓮様が私の腕を掴んでいない方の手で私の顎を掴んだ。 「あ……」 「俺と一緒に行きたくない?」 「いっ、いいえ!!でも、私みたいな使用人が蓮様とご一緒に登校なんて、恐れ多くて……」 「お前がこのまま電車で学校行くなら、俺も一緒に電車で行く」 「え!?」 蓮様が電車で登校!? そんな危険な!! 私は慌てて蓮様を止めた。 「ダメです!!そんなの、危険すぎます!!」 「じゃあお前も車で行け」 「それは……」 目を泳がせると蓮様が更に不機嫌な顔をした。 .
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