怪我人と登校拒否

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怪我人と登校拒否

十研橋道本はよく怪我をする子供だった。 走れば転び。 歩けば捻挫し。 木に登れば落下し。 そして調理実習では火傷と切り傷が、そこかしこにできた。 彼は本当に生傷の絶えない子供だった。 子供なのだから、生傷が絶えない事など別に珍しい事ではない。 しかし彼、道本は17歳になった今でも毎日のように生傷が絶えなかった。 ただ昔と違うのは、その傷が全て 喧嘩で出来たものだという事だけだ。
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