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「団地!ちょっとクマ貸して!」
「はぁ?」
「いーから!いつも持ち歩いてんでしょ?!貸して!」
「……何する気だ」
「変な事には使わねーから!」
いぐさの言う変な事に団地は過敏に反応した。
「変な事って……お前何に使う気だよ?!」
「いーから!ちょっとだけ!」
そう言うや否や、いぐさは突然団地の上着のポケットに手を突っ込んだ。
「おい!テメェいい加減に「あった!」
いぐさは団地のポケットから、木彫りのクマを取り出すと、地面にクマを立たせた。
何をするつもりだ、と眉を潜める団地にいぐさは突然クマを前に正座で手を合わせ始めた。
「どーかオレを忙しくして下さい!」
「お前……世界中の多忙な奴らに土下座してこい。」
団地は呆れていぐさを見る。
「それがダメなら何か面白い事起こして下さい!」
「つか、下らねー事に使ってんじゃねーよ!この馬鹿が!」
そう言うと団地はいぐさを蹴り飛ばし、クマを拾い上げポケットにしまった。
「いってー!!団地チョーひでー!あーやーまーれー!」
「知るか。」
団地は素知らぬ顔で再度メロンパンを食べ始めた。
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