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ズル休みとプリン
いぐさが学校中を走り回り、団地がメロンパンにかじりついているのと同時刻。
王溝小学校では咲がゆっくり給食を食べていた。
その日は咲にとって、祖母が亡くなってからは初めての登校であった。
咲は3日間、葬式やら初七日などで慌ただしい家で親の手伝いなどをして過ごしていた。
まぁ、手伝いと言っても弟の世話くらいだったが。
そんな久々の学校で給食を楽しむ(無表情だが)咲に一人の少年が近づいていた。
「おい、このズル休みヤロー!」
咲が振り向くと、そこにはふてぶてしく腕を組んで立っている少年が居た。
「大依(おおい)くん……」
咲が少年の名前を呟くと、少年はニヤリと笑った。
「おい、このズル休み!お前3日間もズル休みしたんだから、そのプリンよこせ!」
大依が咲のもとにある給食のプリンを指差しながら叫ぶ。
すると咲の隣で給食を食べていた少女が突然立ち上がった。
「大依!あんた意味わかんない事言ってんじゃないわよ!」
「うっせーな!いちご!お前には関係ねーだろ?!」
いちごという咲の隣の席の少女は厳しい顔で大依を睨みつける。
「超絶に関係あるわよ!私は咲ちゃんの友達だもの!」
「このでしゃばりが!」
「なっ……!だいたい何よ!朝からずーっと咲ちゃんにズル休みズル休みって!咲ちゃんはお葬式だったの!ズルじゃないわよ!」
「どーだか。コイツは3日間も学校来なかったんだぜ?どこで何してたかなんてお前にだってわかんねーだろ?」
そう言うと大依は咲を見た。
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