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「じゃああんたは咲ちゃんが3日間遊んでたの見たわけ?!」
「ふんっ。ズルに決まってんだよ!だから、お前のプリンよこせ!」
「大依、あんたねー「はい。」
いちごがまた大依に食い下がろうとした時、咲は自分のもとにあったプリンを大依に差し出した。
「ちょっと!咲ちゃん?!」
慌てるいちごに対して、大依もポカンと咲を見ている。
まさかこんなにあっさり咲がプリンを差し出して来るとは思わなかったのだ。
咲はジッと大依を見つめ、プリンを差し出しす。
すると大依はバッと顔を逸らし、乱暴にプリンを咲から奪った。
心無しか、その顔は赤くなっているように見える。
「ふんっ!やっぱしズル休みなんだろ?!」
「違うよ」
「ズル休みなんだよ!」
「ちが「黙れよ!ブス!お前はズル休みしたんだ!」
そう叫ぶと、大依は自分の席に戻って行った。
耳まで赤くなっている大依に咲はふぅと息をついた。
「(また怒らせた)」
咲が内心落ち込みながら給食に体を向き直すと、隣でいちごがムスッとしている。
「なによ!あいつ!いっつもいっつも咲ちゃんにイジワルばっかり!今日も朝からずっと………咲ちゃん!」
「……はい。」
突然大声で名前を呼ばれ、咲がびくりとするとイチゴは咲の方に向き直った。
「咲ちゃんも咲ちゃんだよ!なんで大依なんかの言う通りしちゃうの?!ビシッと言ってやりなよ?!」
憤慨するいちごを咲はしっかりと見つめる。
そしてその視線を、いちごの給食の一つに向けた。
すると、いちごも自然にその視線を追う。
視線の先には
「ラーメン」
「ラーメン?」
いちごが不思議そうに反復する。
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