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「いちごちゃん…早く食べないとラーメン伸びる。」
そう言われていちごはハッとした。
ラーメンはいちごの大好物である。
今日の給食は今月の献立が発表になってから、ずっといちごが楽しみにしていたモノのだ。
その為、いちごの朝のテンションはいつもより更に高かった。
「あーっ!そうだった!もともと超絶に少ないスープが更に減っちゃう!」
「早く食べないと」
急かす咲に、いちごはゆっくりと咲に視線を戻す。
「……もしかして、その為にプリンやったとか言わないよね?」
いちごがジトっとした目で咲を見る。
「……………」
無言で目を逸らす咲に、もーっ!といちごは唸った。
「咲ちゃんは私のラーメンより自分のプリンの心配をすればいいの!」
そう言いつつ、いちごはいそいそとラーメンを食べ出す。
そうなのだ。
大依が咲にちょっかいをかけてきて、それに対していちごが反論すると、いつもケンカが止まらなくなるのだ。
今回も放っておいたら、いちごのラーメンのスープが跡形もなく無くなるまでケンカし続けていただろう。
「でもプリンなんて給食じゃ、ラーメン並に超絶レアだよ?大依なんかに上げてよかったの?」
「うん。今日は帰りにお父さんにご褒美貰えるから。」
「ご褒美?」
「うん。だからいいの。」
そう言って、咲もラーメンをすすった。
大依はその姿を離れた自分の席からジッと見ていた。
その手にはプリンが握りしめられていた。
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