決意

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 数日後――大学の夏休み最終日、文化祭当日の段取りや必要な物の手続きは全て済んでいたが、グループのオリジナルTシャツを作ろうという話になぜかなっていたため、僕は待ち合わせ時間の十五分前にいつもの集合場所である駅の出口に来ていた。  皆ほとんど集合時刻きっかりか、もしくは少し遅れることが多いにも関わらず僕が早めにやって来たのは彼女と直接話すためだった。  ここ数日間、彼女からの返事はなかった。  一度だけ再度電話、メール共に彼女の携帯へと掛けたり送ったりしたものの、やり取りすることは叶わなかった。  彼女は毎回大体一番乗りで待合場所へとやって来る。  だから早く行けば彼女と話をつけられるのではないか。  そう踏んだ僕は今こうして早めにやって来たのであった。  しかし、集合場所に着いたものの彼女はもちろんのこと、メンバーの誰一人の姿もまだなかった。  僕はバッグから文庫本を取り出し、読みながら待つことにした。 「おはよう。君一人?」 「おはよう。ご明察通り僕一人だよ」 「いつもだったらもう湊ちゃんがいるんだけど。珍しいね。寝坊でもしたのかな?」  僕の傍へとやって来た瀬川は首を傾げた。 「さあ。その可能性が高いかもしれないけど」  瀬川にそう答えつつ、僕は内心穏やかではなかった。  瀬川が来たからには彼女と直接話し合うのが難しくなったというのもあったが、何よりも彼女がいつもの時間帯に来ない原因は僕にあるかもしれないと思ったからだった。
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