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海辺にある少し寂れた田舎の温泉街。
そこにある小さな駅から数人の利用者が出てくる。
自動改札もなく、ほとんどが顔パスで済むので駅員に切符を見せない人もいる。
森山遥斗(モリヤマ ハルト)も、以前高校に通っていた時には、定期も見せずに「おはようございます」の一言で改札を通りすぎることも多かった。
今日は久々の帰省ということでそうもいかず、駅員へと切符を差し出す。
その際少し挨拶してみたが、どうやら駅員は遥斗のことを覚えていなかったようで、普通に挨拶を返されただけだった。
無理もない、と遥斗は思う。
あのころとは外見も少し変っているし、なにより遥斗がこの駅を毎日利用していたのはもう7年も前の話だ。
そう、この地を離れてからもう7年もの月日が経っているのだ…
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