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遥斗だって普通の成人男性だ。
今までの人生の中で恋愛もしてきたし、数人の女性と交際もしてきた。
だが、不安だった。
まるで自分の足元の地面が一気に崩れ落ちていくような感覚だった。
そしてそれがいったいなぜなのか、なぜ不安や恐怖を覚えたのか、その時の遥斗にはわからなかった。
「おーい!ハルさーん!いつまでボーッと突っ立ってんのー!?」
「っ!?」
遠くから呼ぶ姫虎の声でようやく遥斗は我に返った。
「鍵ー!アイさんの部屋の鍵、ハルさんが持ってるんでしょー!?」
「あ、あぁ、今行く!」
今の気持ちの整理をつけるのはいったん後回しだ。
今は管理人代理として、逢の引越しの手伝いをしなければならない。
遥斗は小走りで姫虎たちの呼ぶ方へと向かった。
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