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キーンコーン……
あぁ結局6時間使って馬鹿に古典教えたよ。僕ってやさし~。
「んじゃ、流石にこれはもうわかるよね」
宮
レ デ
帝
ノ
「当たり前だろ。
みかどのクーデレ」
「OK後でそのどや顔にパンチな」
一応レ点の性質は理解できるようにはなったね。大収穫だよ。でもなんでかレ点を読んじゃうんだよね。後なんで「きゅう」の字を無理やり「くう」って読むのかな?まだ「ぐう」ならわかるけどさ、そんなにデレに繋げたいの?
はぁ。疲れた。
「帰ろ……」
「なんだ。由良とは帰らないのか?」
「ゆらゆら今日部活。
てかなんで君ついてくるの?」
「いや、今日は古典がわかるまでお前の家で勉強しようかと」
「一億と二千年経ってもわかんないよ君に古典は……
ごめん今なんて言った?」
「一億と二千年経っても俺に古典はわからないって言った」
「違うその前」
「お前の家でわかるまで古典を……「はいストップ。
僕の家?」
「うん」
「あぁそっか僕の家か……
はぁ?!?!」
「若年性アルツハイマーかお前?」
「うるさいわ!!
男子が家に来るのが女子にとってどれ程のイベント性を持つかわかってんのか?!」
「わかるわけないだろ俺は男子だ。馬鹿か」
「レ点わからんやつに言われたくない!!
このやろ!!」
もうムカついた。
「わぁ待て襟は掴むな!
ほら、剃刀ついてんだよ」
「怖いな!!殺人スペック満載かそのブレザー!!」
「よくわかったな、ほら、ブレザーの裏」
わぁ、ナイフやら銃やらいっぱい。
「そっか君殺し屋だっけ……」
「今更か」
「……本当に
本当に僕を殺すの?」
「仕事だからな。
あ、そうだ」
「……?」
「俺が古典を完全に理解するまで教えてくれる間は殺さないよ。
どうだ?」
マジで?
古典にここまでの延命機能があったのか!
「うん!それ最高!ていうか理解しないでね!」
「意地でも理解してやる」
あっ……
不知火君の笑った顔……
すごく優しくて、眩しい。
殺し屋だなんてやっぱり信じられないよ。
「どうした九十院。
早くお前の家行こうぜ」
「あっ、うん。
……なんで家の道知ってるの?」
「調べた」
「さらっと言うな!
え、じゃあうちの事も?」
「もちろん知ってる」
はぁ。こいつに個人情報保護法は通じないね、絶対。
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